ビルトインガレージとは?メリット・デメリット、失敗例から学ぶ注意点も紹介
2022.06.02
#家づくりノウハウ
住宅内部に駐車スペースを組み込んだ「ビルトインガレージ」。近年、車やバイク好きの方はもちろん、多趣味な方たちから人気の間取りです。お子さんの遊び場にもできるため、子育て世代からも注目されています。
ただし、ビルトインガレージにはデメリットも潜んでいます。そこでこの記事では、ビルトインガレージを作るメリット・デメリットをはじめ、失敗例から学ぶ注意点も合わせて解説します。
目次
ビルトインガレージとは、駐車できるスペースを住宅の1階部分に設けて、シャッターやドアで閉めて車を格納するガレージのことです。完全に建物内部に組み込むのが特徴のため、「インナーガレージ」と呼ばれることもあります。
構造上、1階部分には車が入るぐらいの大開口部を確保する必要があり、車1台あたりの間口は3m~3.5mが目安です。2台分なら倍の広さが必要ですし、車いすを使うならプラス1mほどの間口は必要と考えておきましょう。
奥行きは5.5m~6.5m程度を確保すると、車体の長いセダンを停めても余裕があります。坪数に換算すると車1台なら4~5坪ほど、車2台なら8~10坪ほどの広さが目安です。
ビルトインガレージがあると、どんなメリットがあるのでしょうか。具体的に見ていきましょう。
1.愛車を雨や風、紫外線から守れる
車を屋外駐車場に停めて雨や風、紫外線にさらすことは、車やバイク好きにとってできれば避けたいものです。その点、ビルトインガレージなら室内に保管するため、愛車を長くきれいに保つことができます。しかもシャッターを閉めれば、愛車が盗難にあったり、いたずらされたりするリスクが大幅に軽減でき、防犯上の安心感にもつながります。
2.好きな時に好きなだけ、愛車のお手入れが楽しめる
ビルトインガレージがあれば、24時間365日、雨でも雪でも天候に関係なく、愛車のメンテナンスができます。ビルトインガレージの隣にリビングや書斎を作って大開口窓を設置すれば、いつでも愛車を眺められます。
3.趣味のスペースとしても使える
ビルトインガレージは、車やバイク好きだけでなく、趣味がある方にも重宝します。たとえば、ゴルフのパッティングやショットの練習、大きなプロジェクターを設置してのシネマ鑑賞、DIYの作業など、趣味を楽しむための贅沢な空間として活用できます。アウトドア用品や冬用タイヤの保管場所などにも使えるため、物置などの外収納を設置する必要もありません。
また小さなお子さんがいれば、ビルトインガレージを遊び場として開放できるのも魅力です。夏の暑い日にお子さん用にビニールプールを設置したり、扉を開放してBBQを楽しんだりするのもよいでしょう。
4.雨に濡れずに出入りできる
ビルトインガレージは建物内部に組み込まれたスペースのため、雨の日の買い物帰りでも、家まで濡れずに荷物を運べます。子どもをチャイルドシートに乗せるのも、楽にできるでしょう。
車いすの方や介護の必要な方がいる場合でも、駐車場と室内が一体化しているビルトインガレージでは移動がスムーズです。また1階部分にLDKがあれば、生活動線がコンパクトにまとまりやすく、階段を使わずに買い物をした荷物を運び入れることもできます。
5.固定資産税を安く抑えることができる
ビルトインガレージの面積が住宅の延べ床面積の5分の1であれば、固定資産税の緩和措置が適用されます。たとえば、延べ床面積100㎡の家を建てて、20㎡以下のビルトインガレージを作ったとしても、延べ床面積に含まれないため、延べ床面積80㎡が固定資産税の対象となります。
つまり、容積率の計算に含まれないため評価額が下がり、固定資産税が安くなるのです。ただし、グレードの高い電動シャッターを設置すると、そこに固定資産税がかけられるケースもあるので注意しましょう。
メリットが多いビルトインガレージですが、デメリットもあります。作ってから「こんなはずじゃなかった…」と後悔しないためにも、しっかりデメリットについても押さえておきましょう。
1.設置費用が高額になりやすい
ビルトインガレージは、車を出し入れするため1階部分に大開口部を確保する必要があります。特に2台分の駐車スペースを確保したビルトインガレージを木造建築で作りたいが中央に柱を設けたくない、といった場合は耐震面が懸念されるポイントです。場合によっては工法や構造を選ぶ必要があり、木造以外を選ぶと建築費用が高額になるおそれがあります。木造の場合も耐震補強が必要になり、その分費用がかさむでしょう。
ビルトインガレージの設置費用は、一般的に建物本体工事費プラス250万~300万円ほどといわれています。たとえば、坪単価60万円で30坪の家を建てる場合、住宅の建築費用が1,800万円かかるとしたら、そこに250万~300万円が上乗せされるイメージです。シャッターや換気扇など、付属設備のグレードを高くすると費用がさらに割高になります。
2.騒音や振動、換気に注意しなければならない
24時間365日、ビルトインガレージで愛車のメンテナンスができるとはいえ、作業している音や震動は住宅内の部屋に響き渡ります。ビルトインガレージの近くに寝室がある場合は、深夜から早朝にかけてエンジン音やシャッターを開け閉めする音が気になり、睡眠を妨げられるかもしれません。シャッター音によっては、近隣の迷惑になるケースもあるでしょう。
また車の排気ガスがリビングや居室に流れてしまい、ニオイが気になるケースも多くあります。構造的に排気ガスが溜まりやすいので、換気扇を設置してしっかり対策しましょう。
ここでは、ビルトインガレージでよくある失敗例をもとに、作る際に注意すべき3つのポイントを紹介します。
1.部屋の間取りをしっかり考慮する
ビルトインガレージを設置すると、物理的に1階部分の居住スペースが限られてしまい、広々としたLDKを設置できない場合もあります。だからといって2階にLDKを設けると、せっかくの利点である生活動線のコンパクトさが活かせません。帰宅して荷物を持って階段の昇り降りをすることになってしまい、負担を感じる人もいるでしょう。ただし2階部分にLDKがあると、ある程度の広さが確保でき、日当たりもよいというメリットもあります。
メリット・デメリットを比較検討して、自分たちのライフスタイルに合った間取りを選ぶことが大切です。
2.シャッター選びは慎重に行う
先述したように、シャッターが高性能だと、固定資産税の対象になる可能性があります。とはいえ、ビルトインガレージのメリットは「車の乗り降りで雨に濡れないこと」。手動シャッターにすると手でシャッターを開閉しなければならず、車から降りる必要があるので雨の日は濡れてしまいます。その点、電動シャッターであれば雨に濡れずに開閉が可能です。
ただし、電動シャッターは音による近隣トラブルが起こるリスクもあります。たとえば、開閉時にシャッターとガイドレールがこすれて「キーキー」という音が鳴る場合があるので対策が必要です。
3.車の買い替えを考慮したサイズにする
ビルトインガレージの設置時に買い替える車のことまで考慮しなければ、将来的に車の買い替えで失敗することもあります。よくあるのが、SUV車へ乗り換えたいが車高がガレージに対応していないといったケースです。特に海外メーカーの車種は、日本メーカーの車種よりサイズが一回りも大きいので、将来的に乗りたい場合は買い替え時のこともしっかり考慮しましょう。
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