未来を見据えた住まいづくり 『長期優良住宅』とは?
2023.12.14
#性能のハナシ
新築注文住宅を計画するからには、誰しもが安心して長く住めるお家を実現したいと考えるはずです。
そういったお家を考えていくときに、『長期優良住宅』という認定制度を判断基準の一つとされる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
また最近では、国からの補助金制度の条件の一つとして長期優良住宅が設定されたことで、この制度の名前に聞き覚えがある方も多いのではないでしょうか。
では、その長期優良住宅とは具体的にどういったものなのか、今回のコラムで解説していきたいと思います。
長期優良住宅とは?
長期優良住宅とは、国が定めた長期優良住宅認定制度の基準をクリアし、行政の認定を受けた住宅のことです。
認定を受けた住宅は、長期にわたり高い品質を維持でき、耐久性や省エネ性などが優れている建物だと国からお墨付きをもらえたことになり、将来にわたって安心かつ快適に住み続けられる質の高い住宅ということを示しています。
長期優良住宅の認定基準
新築注文住宅において長期優良住宅の認定を受けるためには、以下の項目の認定基準を満たす必要があります。
1.劣化対策
数世代にわたり、住宅の構造躯体が使用可能であることが条件です。
劣化対策等級3相当であることを基本とし、新築木造住宅においては、床下・小屋裏に点検口を設置し、床下空間に330mm以上の有効高さを確保することが必要です。
2.耐震性
極めてまれに発生する地震に対し、継続利用のための改修の容易化ため、損傷のレベルの低減を図ることが条件です。
新築注文住宅においては、耐震等級2以上であること、または住宅品質確保促進法が定める免震建築物であることが求められます。
3.省エネルギー性
基準を満たす断熱性能の確保、省エネルギー対策が取られていることが条件です。
新築注文住宅においては、断熱等性能等級5かつ一次エネルギー消費量等級6であることが求められます。
断熱等性能等級についてはこちら【新たな快適性のモノサシ「断熱等級」とは?】
4.維持管理・更新の容易性
構造躯体に比べて耐用年数が短い設備配管等の維持管理(取替・補修等)しやすいことが条件です。
新築注文住宅においては、維持管理対策等級3であることが求められます。
5.居住環境
良好な景観の形成すること、またその地域における居住環境の維持・向上に配慮されたものであることが条件です。
建物が地区計画、景観計画、条例によるまちなみ等の計画、建築協定、景観協定等の区域内にある場合には、これらの内容に適合していることが求められます。
6.住戸面積
良好な居住水準の確保のために、建物が必要な規模を有していることが条件です。
新築注文住宅においては、1階部分の床面積が40㎡以上かつ合計床面積が75㎡以上であることが求められます。
7.維持保全計画
建築時から将来を見据え、定期的な点検・補修等に関する計画が立てられていることが条件です。
具体的には、住宅の構造耐力上主要な部分、住宅の雨水の侵入を防止する部分、給排水設備について、定期的な点検および補修(点検間隔10年以内)を計画することが求められます。
8.災害配慮
自然災害による被害の発生の防止、または軽減に配慮されていることが条件です。
災害発生のリスクのある地域においては、そのリスクの高さに応じて、所管行政庁が定めた措置を講じていることが求められます。
長期優良住宅のメリット
様々な税の特例措置
長期優良住宅と認定されると様々な税の特例措置を受けることができます。
以下が代表的なものです。
・住宅ローン減税の優遇
2024・2025年に入居される場合、住宅ローン減税の対象とされる借入限度額が一般住宅では2000万円ですが、長期優良住宅認定を受けていれば4500万円となります。
・投資型減税の利用
住宅ローンを利用せず自己資金のみで新築注文住宅を建築した場合、住宅ローン減税を受けることはできませんが、長期優良住宅認定を受けている場合は投資型減税を受けることができ、所得税の10%が控除されます。(上限控除額65万円)
住宅ローン金利の優遇
金融機関の商品によっては、長期優良住宅認定を取得することで住宅ローン金利の引き下げがある場合があります。
地震保険料の割引
地震保険料は耐震等級によって金額が変動するため、耐震等級2以上の長期優良住宅であれば割引を受けることができます。
補助金制度を利用できる可能性がある
長期優良住宅認定を受けることで、補助金制度を利用できる、または補助金金額が増加される場合があります。
現在であれば、「子育てエコホーム支援事業」で、新築注文住宅においては長期優良住宅認定を受けることで最大100万円の補助金を取得することができます。
参考:国土交通省「子育てエコホーム支援事業の概要」https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001710816.pdf
長期優良住宅のデメリット
申請に時間がかかる
長期優良住宅認定を受けようと思うと、着工前に所管行政庁の審査を経て認定を得る必要があります。この審査から認定までに数週間から1ヶ月程度かかるとされており、一般住宅と比べると着工するまでの期間が長くなる場合がほとんどです。
追加の費用が発生する
申請には手数料が必要となります。それだけなく、申請には必要な書類も多く手間がかかるため、申請代行費用が必要な場合もあります。
また、ハウスメーカーによってはそもそも長期優良住宅の基準を満たす住宅にするために建物の仕様を追加・変更しないといけない場合もあり、そうなった場合は全体的にコストアップしてしまいます。
入居後にも継続的なメンテナンスが必要
認定基準の項目で述べた維持保全計画に基づいて、点検・補修を行う必要があります。市区町村によりメンテナンスが不適切と判断されてしまうと、認定の取り消しや、税制優遇等を受けていた場合はその返還を求められる可能性があります。
まとめ
長く安心して暮らすことができるかどうか、一つの判断基準となる長期優良住宅ですが、「子育てエコホーム支援事業」の条件の一つとなっていることから、今後ますます注目さていくことでしょう。
認定取得にはメリット・デメリットどちらもありますので、事前にしっかりと把握した上で将来を見据えたお家づくりをしていくことが重要です。
エルクホームズの建物は、全邸が長期優良住宅の認定基準を満たす性能・仕様となっており、何世代にもわたって安心して暮らしていただけます。
それに加え、家庭用エアコン1台での全館空調システムも採用しており、経済的でありながら一段階上の快適性能を備え、安心と快適を両立したお家づくりを行っています。
山口・広島でお家づくりをお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください!