注文住宅を新築するときコンセントで失敗しないためには?
2021.11.25
#家づくりノウハウ
意外と多いコンセントの失敗
夢に見た憧れの新築マイホーム。 悩みに悩み考えつくしたうえで仕様決定した新築住宅なのですが、ある程度生活に慣れてくると「こうすれば良かった」と思う部位が必ず出てきます。 今回はその中でも頻度が多い注文住宅での「コンセント」について、注意する点を挙げたいと思います。
1.コンセントの位置
分譲住宅や規格住宅では難しいですが、注文住宅では任意の場所にコンセントを取り付けることが可能です。エルクホームズでは標準のコンセント高さは決まっており、設置位置はインテリアコーディネーターによって電気配線図にマーキングされます。その後お客様との打合せで確認しながら必要な数と位置を決めていく流れとなります。 しかしここで注意していただきたいのは、どんなに経験豊かなコーディネーターがコンセントの設置位置をマーキングしても完璧ではないということです。なぜならばそのコンセントの設置位置はプロとして使用方法を想定して決めますが、実際に使用するのは住まわれる方であり、その生活スタイルは変化していくからです。 その一つの解決方法としてお勧めするのがコード付き掃除機の使用でコンセント位置を考えることです。コードレス掃除機やロボット掃除機が全盛ですが使用時間等が限定されるので、いざという時も含めコード付き掃除機は使用されます。このコード付き掃除機で家の中すべてを掃除することができるようにコンセントを配置すれば後悔しにくいのです。 また建物の中だけではなく外のコンセントにも注意が必要です。エコキュートなどの給湯器はもちろんですが、外回りを手入れするための電化製品用やこれから普及してくるであろう電気自動車の充電用も必要です。また災害時を考えて外部から給電するためのコンセントなどを考えることも注文住宅では可能となります。
2.コンセントの数
新築でコンセントを追加する費用は1ヶ所あたりおよそ3千円程度です。この点のみ考えれば「入居してから困らないようにできるだけ多く用意しておこう」となるのですが、留意しなければならない点があります。
一つは気密性と断熱欠損です。
建物にコンセントを付けるためには躯体内にコンセントボックスを設置しますが、外周部には断熱材を施工するため敷設スペースが必要となります。スペースが確保できずに断熱材を中途半端に施工すると断熱欠損が生じてしまいます。同様にボックス自体に気密性がないとそこから空気が入ってきてしまい、気密住宅としての機能が下がってしまいます。この点を考慮すると建物の外周部には本当に必要なコンセントだけを設置して、断熱と気密の確保に気をつけるべきです。
もう一つは意匠性です。
今ではおしゃれなコンセントカバーがたくさんあり自分好みのデザインを選択できますが、それでも一面の壁に多くのコンセントが配置されているのはあまり格好良いものではないでしょう。また1ヶ所あたりのコンセント口数も考えなければなりません。せっかく使いやすい位置にコンセントを設置してもコンセントの口数が足りなければタコ足配線などで接続しなければならないからです。
このようにコンセント一つを挙げてみても考えるべきことはいろいろあります。
「家は3回建てなければ理想の家はできない」とよく言われますが、できれば後悔の少ない新築住宅を最初に建てたいものですね。