注文住宅に最適な換気方法とは?
2023.03.23
#性能のハナシ
今から少しばかり前になりますが、アレルギー発生源となるホルムアルデヒドなどによるシックハウス症候群が問題になっていた頃、これからの住宅において建築基準法の改正(2003年7月1日施行)により、換気設備の設置が義務付けられました。
快適で健康的な生活を送るためには、新鮮な空気が家全体に行きわたるようにすることが重要ですが、どのような換気方法を取ればいいのか具体的に説明できる方は少ないかと思います。
そこで今回は注文住宅に最適な換気方法を考えてみたいと思います。
計画換気とは?
建築基準法の改正により、新たに注文住宅を建てる場合は1時間に建物の半分以上の空気を入れ替えられる換気設備を設置することが必要となりました。
換気するだけなら生活する人が定期的に窓を開ければいいのでは?と思われるかもしれませんが、その方法では認められません。
気候の良い春や夏ならまだしも、夏の暑い時期や厳しい冬の時期にわざわざ換気のために窓を開けるとは考えにくいからです。
そこで「何もしなくても必要な換気がおこなわれる住宅」として、設計士が換気量や換気方法を計画し、十分に配慮した計画換気を取り入れた注文住宅が販売されるようになりました。
計画換気ではお風呂・洗面所などの湿度が発生する場所や、調理の匂いが発生するキッチン周辺、臭いを出したくないトイレなど、生活する人の住環境を意識した換気方法が必要となります。
24時間換気システムが用いられる理由
計画換気を実行するのに不可欠なのが24時間換気システムの導入ですが、そこには理由があります。
建築基準法では1時間に0.5回、つまり2時間に1回換気を行わなければいけませんが、短時間に換気を行うと建物内の空気の流速が上がり、風が通るような感覚になってしまうのです。
そのため実際の室温より体感温度が変化してしまい、快適性が失われてしまいます。
それに対し、24時間換気システムは1日中ゆっくりと常時換気を行うことができるため、建物内の空気の流れをできるだけ変えないまま換気のできる仕組みとして、多くの住宅に採用されています。
換気の種類
続いて換気の種類について考えてみましょう。
換気扇などを使用した換気には第1種・第2種・第3種の3種類の方法があります。
そのうち第2種換気は病院など特殊な環境で必要となる方法なので、注文住宅においては第1種換気もしくは第3種換気の2通りとなります。
第1種換気は外からの給気も建物からの排気も換気扇で行う換気方法です。
換気をすべて機械でコントロールするので、設計士が建物に意図する換気を行いやすいのが特長です。
また外気温に影響されにくい熱交換式を採用する場合は第1種換気の一択となります。
第3種換気は建物からの排気のみに換気扇を使用する方法で、キッチンやトイレなど換気扇近くの湿気や臭いなどを直に排出するために多く用いられます。
気密性能が低い住宅だと、隙間風など意図しない場所からの外気流入があることで狭い範囲で空気が循環してしまい(ショートサーキット現象)、換気効率が極端に落ちたり、臭いだけ他の部屋に移ったりすることがあるので注意が必要です。
注文住宅に最適な換気方法とは
注文住宅に最適な換気計画をする上で一番重要なのは、設計士が考える計画換気がきちんと機能する環境が整えられるかどうかです。
そのためには建物の断熱性や気密性などの基本的な性能の高さや、第1種換気と第3種換気の違いを理解し、特長を生かした換気システムの選択が必要になるでしょう。
もちろん、温熱環境や騒音など、生活する人の過ごしやすさを考えた心地よい住環境も大切です。
まとめ
注文住宅を建てる上で、絶対に必要となる換気計画。
「法律で定められているから」という理由だけでなく、何を重視してその換気方法が取り入れられているかを意識することで、より希望にあった住まいを建てることができます。
もちろん金額も気になるところですが、いつもは見えないところもちょっとこだわって、ずっと健康に、快適に住まい続けられる注文住宅選びをしてみませんか?
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