高気密高断熱住宅は乾燥する?メカニズムと対策をご紹介
2023.10.19
#性能のハナシ
新築注文住宅を検討されている方の中には、省エネ住宅やZEH住宅などに代表される高断熱高気密の住宅は、従来の日本の住まいと比べて乾燥しやすいのではないか、と心配される方もいらっしゃるのではないでしょうか。
一方、従来の住宅の方が乾燥しにくいのかと言われれば、従来の住宅で湿度を一定に保つには沢山のリスクが伴い、対策を取ったとしても湿度を安定させるのが難しいことはご存知でしたか?
実は高気密高断熱の住宅はただ乾燥しやすいのではなく、温度や湿度を安定させやすい住宅であり、それが「乾燥しやすい」という誤解を生んでいるのです。
そこで今回はなぜ高気密高断熱住宅は乾燥すると言われているのか、そして冬の乾燥が気になる季節に住みよい環境を維持する方法をご紹介します。
冬は何で乾燥しやすいの?
冬の乾燥には、「絶対湿度」と「相対湿度」という2つの要因が関係しています。
言葉に馴染みのない方も多いかとは思いますが、「絶対湿度」とは実際に空気中に存在している水分量のことです。
表記も%ではなく、縦横高さ1メートルの空間に含まれる水蒸気の重さが何グラムかで示します。
日本の夏は高温多湿でじめじめとしていますが、これは太平洋高気圧の影響で非常に湿った、「絶対湿度」が高い空気が流れてくるのが要因です。
対して冬になると、日本の北西にシベリア寒気団と呼ばれる高気圧が見られるようになります。
その高気圧からの風は、寒気を伴いとても乾燥しており、それが日本海を渡って日本に流れてきます。
冬の空気が乾燥しているのは、これらにより空気の「絶対湿度」が下がった状態になるからというのが理由です。
またもう1つの要因に、「相対湿度」があります。
「相対湿度」とは、ある温度の大気中に含まれる水蒸気量を、その温度の飽和水蒸気量(水蒸気を含むことが出来る量の限界)で割った割合を指し、日常で使われる湿度もこちらを表すことが多いです。
例えば水蒸気量をグラスの中の水に、飽和水蒸気量をグラスに例えると、100㏄の水分が容量200㏄のグラスに入っている場合、相対湿度で言うと50%となります。
しかし、飽和水蒸気量は温度が上がるほどに大きくなるため、例えばグラスが容量400㏄になったとしても中の水の量は変わらず、この時相対湿度は25%となります。
つまり、相対湿度は空気中に含まれる水蒸気の割合を表しており、気温30℃と15℃の場合では、同じ相対湿度でも実際の水蒸気量は大きく異なっています。
そして、この相対湿度が高気密高断熱住宅とどう関係しているかというと、特に冬は寒いため暖房器具を使うことで室温が上がります。
室温の変化により飽和水蒸気量が大きくなるため、一層相対湿度が低くなり、乾燥した空気になります。
つまり、高気密高断熱が乾燥しやすいと言われるのは、暖房器具の効率が良く、熱の損失も少ないために寒い冬の日でも室温を暖かく保つことができるのが理由だと言えるでしょう。
室内を快適に加湿するには?
住まいの乾燥が気になる時、加湿器を使用するご家庭が多いかと思います。
室内の湿度を素早く補える効率の良い方法ですが、断熱が不十分な住まいで行うと結露発生のリスクを伴い、カビやアレルギーの原因となってしまうこともあります。
室温がなかなか上がらないまま加湿を続けると、寒いうえに空気環境も悪くなってしまい、健康上のリスクも上がってしまいます。
室内干しをするなどその他の対策でも湿度を補う事は可能ですが、従来の住まいはなかなか室温を安定させることが難しく、そのたびに相対湿度も変化してしまうので、室内の湿度を安定させることは難しいでしょう。
また部屋によって大きな温度差があると、こっちの部屋は乾燥しているのにこっちでは結露が起きているといった湿度の不均等も起きかねません。
一方、省エネ住宅やZEH住宅などに代表される高断熱高気密の住宅では、高断熱の窓を採用している場合、加湿のし過ぎに注意は必要ですが、加湿器を使っていても従来の住宅よりはかなり結露の発生を抑えることができます。
洗濯物を部屋干しする、濡れタオルを干す、観葉植物を置くなども効果的な方法です。
家じゅうの室温を一定に保つことができるので、湿度計を確認しながら適宜加湿を行えば快適な室内環境を保てそうです。
まとめ
高気密高断熱の住宅が乾燥しやすいと言われる理由は、冬でも室温を一定に保ち、暖かい住環境を維持できるからということが分かりました。
新築注文住宅をご検討されており、住まいの乾燥が気になっていた方の参考になれば幸いです。
エルクホームズは山口・広島で高気密高断熱の快適な住まいづくりを続けています。
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