窓の少ない家は暖かい?窓の果たす役割とは?
2022.02.24
#家づくりノウハウ
新築の注文住宅の傾向として窓の少ない家が多くなってきています。
住宅断熱最大の弱点である窓を少なくして断熱性能を上げたいや建築コストを抑えたいとか、そもそも実家がマンションだったので窓が必要と感じないなど理由はいろいろあると思います。しかしながら窓は陽射しや風、景色など暮らしに大きな影響を与える要素が含まれています。
今回は窓の果たす役割について考えてみたいと思います。
1.陽射しなど光の取り込みについて
窓を多く採用すると陽射しによる光は多くなり明るい部屋を作ることができます。
サッシの形状や取り付ける位置を工夫することによって、その部屋の使用用途に適した陽射しをコントロールできます。
家の方向や部屋の配置、窓方向によって季節ごと時間帯での太陽の当たり方は変わるので、特徴を生かした窓設置を考える必要があります。
高窓は壁面の高い位置に取り付けた窓なので、高い角度から採光が取れることから家の奥まで光が届きます。
横長の窓は広い範囲に光を届け、縦長の窓は狭い範囲の手前から奥まで光を運びます。
2.換気と熱の出入りについて
換気には自然換気と機械換気があります。
新築住宅は「計画的な換気」を取り入れる義務があるので、必ず換気扇による機械換気が設置されます。
窓での換気は自然換気であり、季節や天気の良い時期の限定ですが、無料で換気を行うことができます。
室内の熱や二酸化炭素、臭気まで排出してくれるので、もっとも快適でECOな換気システムともいえるかもしれません。
また窓を開ける時にも関係しますが、現代住宅では窓がもっとも熱の出入りが大きい部位となっています。
つまり窓を少なくしたり小さくするとその分だけ熱の出入りが少なくなり、断熱性能が向上するということです。
3.窓からの景色について
建築する土地の周辺環境にもよりますが、多くの場合は、窓から外の景色を眺めたいと考える人が多いと思います。
そのためにエクステリア工事でリビング窓近くに花壇を作ったり庭木を植えたりして、心休まる景観を作成したりします。
もちろんこちらから外の景色を見ることができるということは、外からも家の中の様子が確認できることにもなります。
プライバシー確保のためには前述の植樹やカーテン設置など好みに応じた方法で、外部からの視線を遮る工夫が必要となります。
また工夫の方法は今後の周辺環境の変化も念頭に置いて考えておく必要があります。
目の前の土地が現在畑でも数年後にはそこにマンションが建設されるかもしれません。
「今は遮光カーテンのみで対応しているが、その場合は外付けスクリーンで目隠ししながら日射コントロールしよう。」など想定していると安心です。
いかがでしょうか?
新築で採用し設置された窓はリフォームなどでも、その種類や大きさを変更することは簡単ではありません。
いろいろな方法で自分好みに窓周りを変更できるとはいえ、新築するときの窓の決定がその後の生活に大きく影響してしまいます。
とことん設計担当に相談して、悔いのない窓選定をしましょう。