新築を建てる方必見!住宅ローンのフラット35とは?
2022.01.06
#お金のハナシ
新築を検討中の方で住宅ローンについて知りたい方は多いと思います。住宅ローンにはいくつか種類がありますが、その多くは変動金利の住宅ローンです。
では、よく耳にするフラット35とは何なのか?今回は気になる住宅ローンフラット35についてご説明します。
利用条件や新築一戸建てで利用できるフラット35の種類にも触れていきますので、ぜひ最後までお読みください。
フラット35とは?
フラット35は、独立行政法人住宅金融支援機構と民間の金融機関が提携して扱っている最長35年の固定金利の住宅ローンです。「全期間固定金利型住宅ローン」のため、返済期間中はずっと借入時の金利が適用されます。全期間金利が同じであることによって、金利が決定した時点で毎月のローン返済額と最終的な支払総額が確定します。フラット35は、月々の返済額について長期的に見通しが持てるため、返済計画を立てやすいのが特徴のひとつです。適用される金利は窓口となる金融機関によって異なりますので、フラット35を検討される方はいくつかの金融機関をチェックすることをおすすめします。
フラット35と一般的な住宅ローンの違いは何?
フラット35の取り扱い窓口は民間の金融機関ですが、前述のとおり独立行政法人住宅金融支援機構と金融機関が提携して扱っている住宅ローンなので、一般的な住宅ローンとは異なる点がいくつかあります。では、その違いについて見ていきましょう。
■変動型金利はない
これも前述しましたが、フラット35は「全期間固定金利型住宅ローン」のため、変動型の商品はありません。これは市場金利が低くなった際にも、その低金利は適用されないことを意味します。一定の金利で市場に左右されたくない方はフラット35を検討してみるといいでしょう。
■連帯保証人が不要
民間金融機関で住宅ローンを組むときに、多くの場合連帯保証人は不要です。一方、夫婦の収入を合算する場合などは連帯保証人が必要となりますが、フラット35は必要ありません。
■住宅ローンの審査基準が違う
一般的な住宅ローンでは、勤続1年以上や正規雇用など一定数の条件を求める場合が多いですが、フラット35は転職して間もない方や非正規雇用の方でも住宅ローンの審査が通りやすいとされています。そのため、民間の金融機関では住宅ローンが組めなかった方でも、フラット35なら借りられる可能性があります。
■団体信用生命保険(団信)への加入が任意
一般的な住宅ローンでは、基本的に団体信用生命保険(団信)への加入が必要ですが、フラット35では加入は利用者の任意とされています。そのため、利用者の健康状態などの理由で団信に加入できない場合でも、フラット35は利用することができます。
団信とは、住宅ローン契約時に加入する保険のことで、住宅ローン名義の契約者が死亡または高度障害状態になった場合に、それ以降の住宅ローンの支払いが免除され、遺族に住宅を遺すことができるというものです。団信に加入しない場合は、このような保険内容は受けることはできないので、注意が必要です。
フラット35を利用するための条件
■適合証明書の発行
利用者の住宅が住宅金融支援機構の定める技術基準を満たしていることが挙げられます。フラット35は、独自の「技術基準」が設けられており、第三者機関により、記述基準を満たしていることができた場合にのみ融資が認められます。第三者機関とは、適合証明機関や適合証明技術者を指します。この第三者機関による建物の検査を行って「適合証明書」の発行を受けなければなりません。
■利用者の年収
フラット35を利用するためには、利用者のすべての借入れ(住宅ローンや自動車ローンなど)に関して、年収に占める年間合計返済額の割合(=総返済負担率)が次の基準を満たすことと定められています。
・年収400万円未満:総返済負担率30%以下
・年収400万円以上:総返済負担率35%以下
例えば、年収500万円で自動車ローンが年間30万円あるとすると、
合計借入可能額:500万円 × 35% = 175万円
住宅ローンの借入可能額:175 万円– 自動車ローン30万円 = 145万円
返済額が年間145万円までとなる住宅ローンを組むことができます。
■利用者の年齢
申込時の年齢が満70歳未満で、完済時年齢が80歳未満となっています。ただし、親のローンを子などが継承する「親子リレー返済」の場合は、申込人の年齢要件はなく後継者の年齢が基準となります。
■利用者の国籍
日本国籍の方、外国籍で永住許可を受けている方、または特別永住者の方が対象となります。
以上の他、住宅に関する条件なども付与されています。新築か中古か、一戸建てかマンションかによってこの条件も異なるため、詳細はフラット35の公式ホームページなどで確認しましょう。
フラット35の住宅ローンの種類
新築か中古、一戸建てかマンションなど住宅の種類によって取り扱う住宅ローンが異なる場合があります。今回は新築一戸建てで利用できるフラット35の種類をお伝えします。
■フラット35S
フラット35Sとは、省エネルギー性や耐震性、バリアフリー性、耐久性・可変性のいずれかの性能で、より高い技術基準を満たす住宅について、フラット35の住宅ローン金利を一定期間(当初5年または10年間)引き下げる制度です。より質の高い住宅を選ぶことで、有利に固定金利の住宅ローンを借り入れることができます。
■フラット35子育て支援型・地域活性化型
フラット35子育て支援型と地域活性化型は、住宅金融支援機構と地方公共団体が連携して提供しているもので、フラット35の当初5年間の金利が年0.25%引き下げられる特典を受けられます。フラット35子育て支援型は若年子育て世帯が住宅を取得する場合などが対象で、フラット35地域活性化型はUターンを契機に住宅を取得する場合などを対象として、利用することができます。
フラット35子育て支援型とフラット35地域活性化型は併用することが可能で、これらを併用すると最高で住宅ローン金利が0.5%引き下げられることになります。
■ダブルフラット
ダブルフラットとは、借入期間の異なるフラット35を2つ組み合わせる利用方法を言います。
例えば、お子さまの教育費の負担が大きくなる時期に住宅ローンの返済が減るように「フラット35とフラット20」を組み合わせるなどの利用方法があります。
フラット20とは、借入期間15年以上20年以下を選択した場合のことを指し、「フラット35とフラット20」の2本の住宅ローンを組み合わせることで、返済期間後期の毎月の住宅ローン返済額を減らすことができます。
まとめ
今回は住宅ローンの中でもフラット35に特化してお伝えしました。住宅ローンは毎月の支出を大きく占めるものです。それぞれのご家庭に合った種類を慎重に選ぶことをおすすめします。
一般的な住宅ローンについて知りたい方はこちら(新築住宅ローンの種類!どれを選ぶのが正解? )