住み始めてから気づく音トラブルにご注意を!
2022.02.10
#家づくりノウハウ
新築の注文住宅を建築するときに意外と見落としがちなのが音トラブルです。
断熱などの性能に比べて数値化しにくいのですが、住宅内外の音にまつわる問題解決も快適な生活を送るうえでは重要です。
今回は住宅での音対策について考えてみたいと思います。
1.音に関する感覚は個人差があり、状況によって変わる
例えばキッチンのシンクをはねる水栓からの水滴の音、この音について考えてみましょう。
隣のリビングでテレビを見ているご主人にとってはきっと気にならないことでしょう。
またダイニングで静かに勉強している子供も関心を寄せないかもしれません。
でも普段から家事をしている奥様からしてみるとこの水滴の音は、気づくやいなや「もったいない」と考え水栓レバーを止めるはずです。もっというと普段から水栓の扱いについて注意しているならば、そばにいて気づかない子供に対して「また止め忘れている」と怒るかもしれません。
このように水滴の音でさえもそれを聞く個人や状況で感覚は変わってくるものです。
住宅の防音レベルを設定する難しさはこうした感覚の違いも大きいのかもしれません。
2.家の中と外からの音の違い
家の中で発生する音と外から聞こえてくる音は明確な違いがあります。
家の中は家族によって発生する音、外は他人によって発せられる音なので、その音に対しての寛容さが違います。例えば自宅の二階で子供が飛び跳ねて聞こえる騒音と、アパート階上の住人の立てる足音では「うるさい」には違いないですが、腹の立ち方も変わると思います。
家の中ではそれこそ飛び跳ねている子供を叱ることもできますが、階上の住人の騒音は注意しづらいことも関係するでしょう。
3.注文住宅での音対策
ここからは新築時に対応可能な音対策について触れてみたいと思います。
まずは2階の床からの伝播音や振動音への対策ですが、こちらは主に遮音材をフロア下に敷き込みます。また1階の天井を吊り下げ天井として2階の床からの音や振動が伝わらないように切り離すのも効果があります。
部屋間の音対策には壁体内への防音材の充填と下地に遮音シートやボードを設置する方法が一般的です。また開口部は防音ドアの採用が基本となり、各建具メーカーから防音レベルに応じたラインナップがあります。
外部からの音対策の基本はまずは気密性能になります。建物のスキマ面積が小さいほど外部からの音も入りにくくなるので防音効果の高い家となります。
防音対策のネックとなる開口部はサッシ自体の防音性能とガラス空気層の厚みをできるだけ多くすることで対応します。
いかがでしょうか?
ここに紹介した以外にも階段の軋み音や玄関収納扉の開閉音や食洗器の動作音など生活する上ではいろいろな音と付き合っていかなければなりません。
のちのち後悔しないように音への対策も考慮しながら新築の家づくりをしたいものです。