エルク通信 エルク通信

  1. HOME
  2. エルク通信
  3. 接道義務とは?知っておくべき道路と土地のルール

接道義務とは?知っておくべき道路と土地のルール

2024.03.07

#家づくりノウハウ

新築注文住宅を建てようと思った時、まずは土地探しをされる方が多いかと思いますが、どんな土地にでも家が建てられるわけではありません。

たとえば、都市計画区域や、準都市計画区域に家を建てようと思った場合、「建築基準法」では、建物を建築する際に敷地と道路が繋がっていなければいけない、という「接道義務」というものが定められています。

 

この接道義務を満たしていないと、そもそも土地に家を建てられなかったり、今は家が建っていても、建て替えることができなくなったりしてしまうという問題が起こることも。

そこで今回は、これから新築注文住宅を建てられる方に向けて、接道の条件とその条件を満たせない場合の対処についてご紹介します。

 

 

 

接道義務はなぜ必要?

 

1.緊急車両の通行を確保するため

 

接道義務は、火災や急病人発生の際に緊急車両などが通行できるようにするためにあります。

建物が火災になった場合、土地の前に横付けしたり建物近くまで進入し、消火ホースを引き込めたりするための最低限の幅として規定されています。

 

一般的な火災で活躍する消防ポンプ車の幅は約2.0m、救急車の幅は約1.9m、大型のはしご車の場合は約2.5mです。

接道義務で最低限の2mを確保することで、緊急車両の通行を確保できます。

建築基準法の第42条で「道路」の幅員が4m(指定区域内では6m)と規定されているのも、消防車の幅2.5mと消化活動のためのスペースを1mとして十分な広さを確保するためです。

 

 

2.災害時の避難路を確保するため

 

地震や台風による水害など災害の多い日本では、予期せぬ大災害の際の避難路確保が重要となるため、接道義務で最低2mの幅を確保することで、災害時の避難経路を確保できます。

特に地震の際は避難経路確保だけではなく、二次災害として起こりうる火災の際にもスムーズな消火活動が行えるようになります。

このように接道義務は、地域の人々が暮らしやすいだけではなく、安心して生活できるように法律で定められているのです。

 

 

 

そもそも接道とは?

 

「接道」とは、建物を建てる敷地に接している道路を指す言葉です。「接道義務」とは、建築基準法第43条で規定されている内容で、「建物の敷地は、『建築基準法上の道路(幅員4m以上の道路)』に2m以上接していなければならない」というものです。

 

建物を建てる敷地が道路に接していればいいのかと言えば、それだけではなく、「建築基準法上の道路」に接していなければいけません。

この道路についても建築基準法の第42条の中で細かく規定されており、大きく6つに分けられます。

 

42条1項1号道路

・県道、市道などの都道府県や自治体によって管理されている道路

・幅員4m以上の道路

 

42条1項2号道路

・都市計画法、土地区画整理法、都市再開発法などに基づいて再開発許可がおりて造られた幅員4m以上の道路

 

42条1項3号道路(既存道路)

・建築基準法が適用される以前(昭和25年11月23日時点で存在)の道路

・「道が狭い」などの問題が残っている道路も多い。

 

42条1項4号道路(計画道路)

・道路法、都市計画法、土地区域整理法、都市再開発法などによって2年以内に新設、または変更される予定として特定行政庁が指定した幅員4m以上の道路のこと

 

42条1項5号道路(位置指定道路)

・不動産業者など、民間によって土地を区画割りして家を建築することを目的として作られた幅員4m以上の道路のこと。

民間の申請により、特定の行政庁から位置の指定を受けた幅員4m以上の道路

 

42条2項道路(みなし道路)

・建築基準法施行時に、すでに建物が建ち並んでいた土地に接する幅員4m未満の道路で、「ある一定の要件を満たす道路であれば、幅員が4mに満たなくてもよい」と特定行政庁が指定した道路のこと。

・道路の幅員が4m未満の為、建物を建てる際は「セットバック」が必要になります。

 

 

セットバックとは?

 

接道義務は基本的に幅員4m以上の道路に対して規定されていますが、一部4m未満の道路に接道することも認められています。上でご紹介した42条2項道路(みなし道路とも呼ばれる)が該当します。

建築基準法によると、幅員1.8m以上であれば、道路が4m以上あると仮定して家を建てることができますが、道路に面している土地を道路の中心線から2m後退させる必要があります。これを「セットバック」と言います。

 

セットバックされた部分は道路とみなされるため、建築物を建築できないのみでなく、門や塀や擁壁などを建築することもできません。また、セットバックしなければならない部分は、容積率や建ぺい率を算出する場合には敷地面積から除外されるため、特に建替えの場合は以前と同じ大きさの建物が建てられない場合もあります。

ちなみに、道路の反対側が河川や崖、線路などの場合は、その道路境界線から4mの位置までセットバックをする必要があります。

 

 

43条但し書き通路とは?

 

ここまで、建築物は建築基準法43条によって、「『建築基準法上の道路(幅員4m以上の道路)』に2m以上接していなければならない」と定められており、その道路の要件は42条に記載されていますとご説明しました。

 

しかし、建築基準法42条内に全ての道路が収まっているのかというとそうではなく、基準内におさまらないものも多く存在します。こういった通路は原則として建物が建てられませんが、建築審査会というところに申請し許可がおりると建築を認められることもあります。

このように、「建築基準法上の道路に接していなくても、基準に適合し、安全が確保できれば建築できます」という特例を定めたものが43条但し書き通路です。

 

しかし、建てられるかどうかは建築審査会に実際に申請をしてみないと分からず、また許可が下りたとしても、建て替えなどをする場合はその都度また建築審査会からの許可が必要になります。

住宅ローン審査の際には「借りる人の返済能力」と担保となる「住宅の価値」の部分を多くの場合見るのですが、再建築不可という部分で「住宅の価値」を下げてしまい、希望した融資額を借入できないということもあるため注意が必要です。

 

 

 

まとめ

 

今回は新築注文住宅を建てる際の土地探しで忘れてはならない、「接道義務」についてご紹介しました。

購入を検討している土地や相続を予定している土地が接する道路はちゃんと建築基準法上の道路なのか、セットバックなどは必要ないのか、そういったことを予めきちんと知っておくことで、予想外の費用を負担することになったり、希望する広さの家が建てられなくなったりといったトラブルを避けることができます。

土地探しの際は、ぜひ接道についてもきちんと調べた上で検討することをおすすめします。

 

エルクホームズでもお客様の理想の住まいや暮らしを叶える土地探しのお手伝いをしております。山口・広島で後悔しない土地探しをされたい方は、ぜひ一度エルクホームズにご相談ください。

 

 

 

来場予約はこちら

 

施工実例はこちら


ページトップに戻る
ページトップに戻る