快適な室内環境づくりのカギ!住まいに最適な湿度とは?
2023.07.13
#性能のハナシ
じめじめとした梅雨の季節が到来しました。
毎年この季節になると、結露が発生したり、革製品や家具などにカビが生えてしまったりして憂うつな気分になる方もいるのではないでしょうか。
また梅雨のじめじめとした空気と同じように、冬場には乾燥に悩まされている方も多いかと思います。
これから注文住宅を検討される方は、新しい住まいではこのような悩みから解放されたいと思うことでしょう。
日本の四季は温度だけでなく、湿度変化も大きいのが特徴。そして室内の湿度は、季節やその日の気温で大きく変化します。
この変化を抑えることができれば、住まいの室内環境をより良くできるとは思いませんか?
そこで今回は、注文住宅をより快適で健康な住環境に保つために重要な、湿度コントロールのポイントを解説します。
住まいに最適な湿度は40%~60%
室内で快適に過ごせる湿度は40%~60%といわれています。この湿度より高くても、低くても、多くの人にとっては快適な空間にはなりません。
雨の日に窓を開けると、むわっとするような湿った空気が部屋に入ってきますが、多湿な環境における最大のリスクは、カビやダニです。
カビ・ダニは、湿度50%以上になると動きが活発になり、60%を超えると急激に数が増えていくと言われています。ダニはカビを餌にするので、そのままにしておくとカビもダニもどんどん増えていく悪循環に。
カビの胞子はアレルゲンになりアレルギー性の病気や、呼吸器系の病気を引き起こすこともあり、またカビで増えたダニもアレルギーの原因になります。
では、湿度が低ければカビもダニも発生せず安心なのかといえば、そうでもありません。
例えば、湿度40%を下回ると喉が乾燥し、気道粘膜の防御機能の低下で、インフルエンザなどの感染症にかかりやすくなります。ドライアイや、髪の乾燥も気になりますし、肌の乾燥が原因でかゆみが起こることもあります。
このように、湿度は過ごしやすさだけでなく私たちの健康面にも影響します。
湿度は高くても低くても、それぞれ体に悪影響を及ぼします。快適な室内環境のためには、適度な湿度を保つことが大切なのです。
部屋の湿度は体感温度にも関係する
同じ温度の日でも、湿度の違いで暑さや寒さの感じ方が異なるのはご存じでしたか?
例えば、気温30度のときに、湿度が80%~90%もある雨上がりの日などは、湿った空気が体にまとわりつくような不快な暑さを感じるでしょう。
一方、同じ気温30度の日でも湿度が50%程度なら、さらりとした爽やかな暑さに感じられるはずです。
これは、湿度が高い場所では体から出た汗が蒸発しにくいため、体温が下がりにくく、湿度が低い場所では汗の蒸発で体温が下がりやすくなるからです。
寒い日も、同じ気温なら、湿度が高いほうが寒さを感じにくく、低いほうが身に染みる寒さを感じるようになります。
室内でも同じです。夏はエアコンの除湿機能で部屋の湿度を下げたほうが暑さを和らげることができ、冬は加湿器を部屋に置いたほうが室内の空気が暖かく感じられます。
快適な湿度を保つ住まいづくりのコツ
ここまで、湿度を快適に保つ方法について解説してきました。
しかし、「そもそも湿気が溜まりやすい」「隙間風が吹いて温度管理がしづらい」といった場合には、自分で対策するだけでは湿度問題を解決できないこともあります。
根本的な解決のためには、注文住宅を検討する段階で湿度管理がしやすい住まいづくりをする必要が出てきます。
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風通しのよい間取り
個室が多い間取りは、それぞれが扉で区切られているために空気の流れが悪い場所ができやすいもの。
特に陽当たりの悪い北側の個室は気温が低く、湿度が高くなりがちです。
間取りを考える際に、家全体を空気が通り抜けるようにすることで、特定の部屋だけがじめじめするような事態を改善することができます。
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調質建材で湿度をコントロール
湿度が高いときには水分を吸い、乾燥しているときは水分を放出する特性を持った建材を「調湿建材」といいます。
代表的なものとして、珪藻土やエコカラットなどが挙げられます。
調湿建材の多くは、ただ湿度をコントロールしてくれるだけではなく、臭いやホルムアルデヒドなど化学物質を吸収してくれる機能が付与されたものもあり、お部屋の快適さをさらに高めてくれます。
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高気密高断熱の住まいを選ぶ
前述のように、温度と湿度には相関関係があります。
壁や天井、床の断熱を十分に行ったり、断熱性能の高い窓を採用して断熱性を高めたりすると、年間を通じて室温が変化しにくくなります。そうすることで外気温の影響を受けにくく、湿度も季節も問わずに適度な値を保ちやすくなります。
室内の温度を一定に保つことができるので、光熱費も抑えることができます。
まとめ
快適な室内環境のためには、適度な湿度を保つことが大切だということが分かり、適度な湿度を保つためには除湿器や加湿器で調整するだけでなく、住まいの性能や間取り等、注文住宅を検討する段階で考えておくことも重要であることが分かりました。
これから注文住宅を検討されており、夏のじめじめや冬の乾燥が気になっている方は、ぜひ今回の内容を参考にされてくださいね。
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