勾配天井とは?注文住宅に勾配天井を採用するメリットとデメリットについて
2023.01.12
#家づくりノウハウ
勾配天井をご存知ですか?
その文字から何となくそれがどんなものか想像することができるかもしれませんが、実際にどのような魅力や欠点を持っているかは知らない方も多いでしょう。注文住宅の場合、天井をどのようなスタイルにするかも自由です。壁や床に比べ、天井にこだわりがある方は少数派かもしれません。しかし、天井は壁や床と同様に天井も住まいの雰囲気づくりや快適さに大きく影響します。
そこで今回は「勾配天井」に注目し、そのメリットやデメリットなどについて詳しく解説します。
勾配天井とは?
屋根の勾配に合わせて斜めにした天井を「勾配天井」と言います。通常天井は水平に作られており、天井裏や屋根裏と呼ばれるデッドスペースが発生しますが、天井裏を作らずに吹き抜けのようにするので、勾配天井ではそうしたデッドスペースがありません。
勾配天井と一般的な平らな(フラットな)天井の部屋とでは「見た目」「印象」が大きく違ってきます。
どちらが好きかは個々人の好み・趣味ですから、どちらが良い悪いはないのですが、デザイン的にも、見た目的にも、趣味があらわれる部分だと思います。
勾配天井のメリット
1.勾配天井を採用することで解放感を得られる
勾配天井の最大のメリットは、開放感を得られるという点です。
同じ面積の部屋でも、天井が高いほど、タテへのぬけ感があるため広く感じ、開放感のある空間にできます。
たとえばリビングなど、家の中でも最も人が集まりやすい場所や、長時間過ごすことの多い部屋を勾配天井にすることによって、床面積以上に広々とした雰囲気が感じられるでしょう。
あとはデザイン的な要素です。つまりは「見た目が変わります」。
平ら、つまり水平ラインを印象的なデザインが一般的な天井になりますが、勾配天井の場合、ななめラインができることで見た目の印象が大きく変わります。
2.勾配天井を採用することで部屋を明るくできる
勾配天井により天井高さを高くすることで、外壁に窓を設置できる面積が増えるので、日当たりが良くなり、お部屋が明るくなります。
単純に窓が増えるだけでなく、高い位置から光を取り込むことができるので、冬場に隣家で陰になるような場合でも、太陽光が遮られにくくなります。
また、勾配天井に向けて窓から入る自然光を当てるようにすると、部屋の奥まで自然光の明るさが得られます。
さらに、勾配天井は屋根面に接しているため、天窓を設けることもできます。天窓は、高い位置にある窓よりもさらに安定して光を取り込めます。天窓からは空も見えるため、開放感がさらに増す、という効果も期待できます。
3.勾配天井を採用することで通気性が良くなる
高い位置に窓を設置できるようになるので、部屋の通気性を良くすることができることもメリットとの1つでしょう。暖かい空気は上へ、冷たい空気は下へ流れていくという性質をすでにご存知の方も多いと思います。この性質を利用して部屋の通気性を上げるには、低い位置の窓と高い位置の窓の高さの違いを出来るだけ大きくすることです。その際に、勾配天井のある部屋であれば、通常の水平の天井の部屋よりも2つの窓の高さの違いをより大きく出来ることから、効率的な空気の入れ替えをすることができる室内となるのです。
4.勾配天井は2階リビングとの相性がよい
2階の家では、1階に勾配天井の部屋を設けることは難しいですが、2階部分では屋根の勾配を利用して、開放感あるリビングを作ることが出来ます。
ロフトを組み合わせ、子供の遊び場や書斎を作るなど、縦空間を有効利用できる点も魅力のひとつです。2階リビングの住宅ではより開放的なリビングになり広く感じることができます。
勾配天井のデメリット
1.勾配天井を採用することで建築費用が掛かる可能性がある
勾配天井は通常の天井に比べて、傾斜をつける必要がある分だけ費用が多くなります。空間が広くなる分、クロスを張る面積は増えることになりますし、高い位置に窓を付ける場合は、カーテンを手動で閉めることができないため、電動カーテンを付けるとその分建築費用も掛かります。
2.メンテナンスの手間がかかる
勾配天井では、一部の天井がかなり高い位置にあり、その周辺の照明器具や窓は非常にお掃除がしにくくなります。また、高い位置の照明器具が故障や球切れしたときに、自分では交換できず、専門業者にお願いしなければならず、工事費用が発生するケースもあります。
最近では照明がLEDになったため、ほとんどなくなりましたが、LEDもいつかは切れてしまいますので、専門業者に照明器具の交換を依頼する必要があります。
3.照明計画が難しい
勾配天井は斜めになっているので対応している照明が限られており、設置が難しいという問題があります。せっかく勾配天井にしたのに照明が中途半端ではデザインを活かすことができません。
また、LED照明の場合はあまり電球切れの心配はありませんが、取り付ける照明の種類によっては電気の交換が必要になり、自分ではできないので業者に委託しなければならないこともあります。
まとめ
今回は、勾配天井のメリット・デメリットについて解説しました。勾配天井はメリットだけではなくデメリットもあるものの、デメリットについては回避する方法もあります。勾配天井による広々とした空間は、多くは注文住宅だからこそ叶えられるものです。ゆったりとした空間づくりを好まれる方であれば、ぜひ検討されることをおすすめします。
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