火災に強く保険料もお得!省令準耐火構造とは?
2023.05.25
#性能のハナシ
新築注文住宅を検討する時、様々な工法がありますが、「木造住宅は木で出来ているから火災には弱いのではないか」と考える方も少なくないと思います。
日常生活においてもキャンプなどでの焚火に木材を使うように、木は燃えやすい性質なのは間違いないでしょう。
しかし断熱性が高く、間取りの自由性も高いなど、快適な住まいを作るのにも適しているのが木造注文住宅。
構造によっては木造でも火災に強い耐火構造に適合する注文住宅を作ることが可能なのをご存じでしたか?
今回は、火災に強い木造注文住宅の省令準耐火構造についてお伝えしたいと思います。
・耐火構造の種類
建物の耐火構造は建築基準法で定められており、大きくは「耐火構造」「準耐火構造」「防火構造」に分けられます。
「耐火構造」はそのうち耐火性能がもっとも優れた性能の建物で、もし火災が起きた場合でも1時間以上倒壊および延焼を防止する性能を持ちます。
「準耐火構造」は耐火構造よりもやや規制の緩い建物で、火災後45分間以上の耐久性と延焼を抑制する性能があります。
「防火構造」は建物内からの火災に対する耐久性ではなく、隣家など外部からの火災が燃え広がらないよう燃えにくくする構造となっています。
具体的には30分間は燃えない防火性能が必要です。
・省令準耐火構造とは?
名称は似ているのですが、省令準耐火構造は独立行政法人機関である住宅金融支援機構が定めた基準で、建築基準法での防火構造に近い内容となります。
その特徴としては以下の3つが挙げられます。
- ・隣家などから火が出ても燃え移りにくい
- ・家の中で火災が発生しても一定時間は部屋から火を出さない
- ・もし部屋から火が出ても家全体への延焼を遅らせることができる
上記を満たすためには、相応の対策を施した仕様の住宅でなければなりません。
たとえば隣家からの飛び火を防ぐためには外回り(屋根・軒天・外壁など)に防火能力が必要ですし、内部の火災が燃え広がらないように火の通り道となる床や壁、天井などの枠組み材などにファイヤーストップ材を使い、空気の流れを遮断して上の階への燃え広がりを防止する構造にするなどの工夫が求められます。
省令準耐火構造として認められる住宅は「省令準耐火構造の仕様で建てた軸組または2×4工法の木造住宅」、「省令準耐火構造として機構が承認したプレハブ住宅」、「同じく機構が承認した工法で建てた住宅」どれかに当てはまる必要があります。
・2×4工法の住宅は省令準耐火構造との相性が良い?
先にも述べた通り、注文住宅を省令準耐火構造にするためには外部内部共に防火性能を高くする必要があるため、その部分にコストが掛かってしまいます。
ただし例外として2×4工法の住宅は基本的に特別な設計や施工をすることなく省令準耐火構造に適合することができます。
これは2×4工法の注文住宅が壁パネルを立ち上げて部屋それぞれを区画しながら作り上げていくためで、そもそも省令準耐火構造に適合しやすい工法であるからです。
つまり、2×4工法の注文住宅は省令準耐火構造を満たしたものが多く、火災に強い家が多いということになります。
・省令準耐火構造のメリット
省令準耐火構造の注文住宅を建てるメリットは火災に強いということに尽きます。
内外からの火災による延焼に強いことで、万一火事が起こった場合でも逃げ出す時間が稼げることで命を守ることができるのです。
また住宅金融支援機構が定めた火事に強い仕様ということもあり、火災保険の金額がお得になるというのもメリットです。
多くの場合、省令準耐火構造の木造住宅の火災保険料は一般的な木造住宅の半分程度で済むようです。
まとめ
今回は省令準耐火構造についてお伝えしました。
火災は自分や家族の安全や自分の家はもちろんのこと、周りの家にも損害を与えてしまう可能性があります。
普段の生活で気を付けていたとしても、万が一の際に後悔しないよう、出来得る範囲で火事に強い家を目指して、工法や仕様にこだわったお家選びをしてみませんか。
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