木造注文住宅にとっても大切な外壁通気工法とは?
2023.02.23
#性能のハナシ
注文住宅を検討する際、木造や鉄骨、コンクリート造など様々な種類があって悩まれる方も多いかと思います。
日本では神社や仏閣をはじめとして、木造建築が古くから採用されており、現在でも一戸建て住宅の9割以上を木造住宅が占めていると言われています。
木造住宅は構造躯体の断熱性が高いため高断熱の家が作りやすいこと、また日本で古くから取り入れられている工法のため、施工できる業者の数が多く、たくさんの住宅メーカーや工務店の中から選ぶことができるのがメリットです。
この記事では、私たちにとって馴染みの深い木造住宅への理解をより深めていただくために、木造住宅のデメリットと施工上で注意すべき点について解説します。
木造住宅の敵、壁内結露
木材の最大のデメリットはシロアリや腐朽菌によってダメージを受けてしまうことです。
そのため、通風や通気性を確保し定期的に維持管理を行う必要があります。
特に注意したいのが壁内結露(内部結露)です。
壁内結露とは断熱材や木材、合板、ボードなど壁の内側に発生する水滴のことです。
発生原因は、木造住宅の外壁の中に湿気を含んだ空気が入り込んだ際、壁内の空気が外気との温度差により一気に冷やされることで水蒸気が水滴に変わり、断熱材内部や木材等の表面を濡らしてしまうためと言われています。
この壁内結露は窓ガラスなどに発生する外部結露と違って壁内部に発生するので発見が難しいので厄介です。
しかも壁内結露は「建物の耐久性低下」「断熱能力の劣化」「カビや菌繁殖による健康への被害」など、放置しておくと取り返しのつかない事態を引き起こしてしまいます。
そのため、できるだけ結露を起こさない対策として通気層を設ける外壁通気工法が重要となります。
外壁通気工法は壁内結露防止の有効手段
できれば発生させたくない壁内結露ですが、残念ながらその発生を100%抑制することはできません。
しかし結露の発生をできるだけ少なくする有効手段として考えられたのが外壁通気工法です。
外壁通気工法とは壁内の湿気を透湿防水シートという「水の侵入は防ぎ湿気は逃がす」という性質をもった高機能シートを外壁側に覆い、外壁材との間の通気層を外気が流れることによって湿気を放出する仕組みです。
この通気工法はサイディングを外壁に使用する場合の「住宅瑕疵保険」で義務化されており、サイディングメーカーの保証条件に記されているほどその有用性が実証されています。
空気の通り道を邪魔しない施工
壁内結露対策に有効な外壁通気工法ですが、きちんと機能させるには空気の通路を考えて建物を設計する必要があります。
空気は一般的に低いところから高いところに流れていくために、空気の取込場所はできるだけ低く排出場所は高い位置に設ける必要があるからです。
例えばエルクホームズでは、基礎と外壁の境界水切り部分から空気を取り込みます。
通り道は通気金物で外壁材を留め付けることで確保し、軒裏部分の見切縁または小屋頂点部分の棟換気から空気を放出するように設計しています。
設計上の考え方は上記の通りですが、これらの考えられた空気の通り道を施工段階で確実に阻害しない事が大変重要となります。
施工上のミスで起こり得るのが、軒天材の施工順序間違いで軒天材自体が通気層を遮断してしまったり、バルコニー笠木と外壁の間をコーキングで防水対策することで通気層からの空気の排出が出来なくなったりする場合などです。
これら通気層がどのように利用されて空気が流動していくのかをきちんと理解したうえで、施工チェックを行わないとうまく機能させることができません。
このように木材の大敵である壁内結露を防止する外壁通気工法を建物の設計に採用して、空気の通り道をきちんと施工管理することが大切です。
まとめ
私たちにとって馴染みの深い木造住宅について、今回は敢えてデメリットとその対策方法をご紹介しました。
そういったデメリットへの対策ができていれば木造住宅にはメリットがたくさんります。そのため、設計や施工管理体制のしっかりしたメーカー選びが重要です。
木造住宅を考える際は、壁内結露を防止する外壁通気工法を採用しているか確認し、空気の通り道がきちんと施工された住まいで建物と人体、両方の健康を守っていきましょう。
エルクホームズは山口・広島で新築一戸建て7,000棟の実績。
設計から施工管理まで、社員がプロ意識をもって丁寧に行なっています。
工法や施工について詳しくお知りになりたい方は、ぜひお近くの展示場にお越しください。
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