北欧住宅でも採用されるトリプルガラスとは?メリット・デメリットを解説
2022.11.03
#性能のハナシ
日本国内の注文住宅でよく採用されているのは、1枚のガラスで作られた「シングルガラス」。
そして、2枚のガラスの間に空気やガスを封入したもので、シングルガラスより高性能な「ペアガラス」があります。
さらに最近注目されているのが、3枚のガラスのそれぞれの層に空気やガスを入れた「トリプルガラス」。
ペアガラスよりもさらに性能の高く、新築注文住宅ではこのトリプルガラスを取り入れている建物が増えています。
窓には主に採光(自然光を取り入れるための)・通風(風を取り入れる)・空間作りといった役割の他に、見落としがちな断熱(熱流入を防ぐ)といった役割があります。
住まいの中で、一番熱が逃げるのは窓開口と言われているため、窓を選ぶときは断熱や結露といった性能面を重視することが大切です。
窓の性能を考えることで、家全体の断熱性能も上がり、より快適な住まいを手に入れる事が可能になります。
そんな高性能なトリプルガラスですが、具体的にどのようなメリット・デメリットがあるのか解説します。
トリプルガラスとは?
まず最大の特徴として、その名前の通り「ガラスが3枚」使用されています。
これは、今までの日本の一般注文住宅における窓としては常識外れの窓と言えます。
従来の注文住宅における窓はシングルガラスが採用されています。
単板ガラスとも言い、ガラス1枚だけを挟んで“内と外”が仕切られているような形です。
次に、ペアガラス(複層窓)という窓もあります。これは2枚のガラスで構成される窓のことです。
ペアガラスは、サッシのスペーサーという部品によってガラスの間に空間が作られており、この空気による層が住宅の断熱性を高める役割を果たします。
そして「トリプルガラス」は、ガラスが3枚の上、さらにガラス同士の空間にガスを封入しており、高断熱高気密をより高める性能を持つ窓です。
住宅性能が高い海外の住宅で採用される「トリプルガラス」
場所によっては極寒の厳しい冬を迎える北欧の国々。
寒い外の気温から身を守るため、暖房器具を活用し冬場の住宅内温度が18℃を超える北欧などの住宅では、その暖かさを維持するために昔から複層窓や、トリプルガラスが採用されてきました。
トリプルガラスの窓は、その高い断熱性能によって室内快適性や家族の健康を守る役割を果たします。
北欧と同じ寒さだけでなく、夏も過酷な現代の日本でも、ようやく窓の断熱性能の重要性が理解され、トリプルガラスの採用が増えているという現状があります。
トリプルガラスのメリット
1.断熱性が非常に高い
住宅内を快適に、そして健康に暮らせる場所にするには、高い断熱性と気密性が必須です。
トリプルガラスにする最大のメリットは、断熱性が非常に高い家づくりが叶うことです。
シングルガラスやペアガラスよりも多い3枚のガラス層でできているため、外気の気温が屋内に伝わりにくく、夏は涼しく冬は暖かい家に。
また、高断熱の家はより効率よく室温調節ができるため、光熱費が抑えられるうえに環境に優しく省エネです。
2.住宅内の結露が起こりにくい
結露は、外気で冷やされたガラスに、室内の暖かい空気が触れることで発生するというメカニズムになっています。
断熱性が低いシングルガラスの家では、頻繁に結露が発生してしまいますが、断熱性能が非常に高いトリプルガラスの窓を採用した注文住宅では結露を防ぐ事ができ、快適で衛生的な室内環境を実現できます。
3.遮音効果が高いため、騒音を遮音する
住宅での問題として挙げられる騒音問題。トリプルガラスは室内外の騒音を通しにくいというメリットもあります。
外部の環境音が気になったり、屋内で思う存分音楽を楽しんだりしたいという方でも、音を気にせず安心して暮らすことができます。
また、夜型の生活を送っている方や帰宅が遅いという方でも、生活音に気をつかうことなく生活ができ、道路や近隣の騒音にも悩まされません。
4.防犯性の高さ
トリプルガラスは、ガラスが何層にも重なっているため、その分、窓の強度も増すことになります。
そのためトリプルガラスの窓は、より防犯性に優れているというメリットがあります。
戸建てでは窓からの侵入が多い強盗ですが、トリプルガラスならその強度によって簡単に侵入できません。
トリプルガラスのデメリット
1.価格が高く導入にコストがかかる
必要なガラスの枚数が多いことや、より複雑な構造をしているトリプルガラスは、やはり初期費用のコストが高くなってしまいます。
そのため、新築注文住宅にトリプルガラスを取り入れる際には、予算計画をしっかりと立てておくことがポイントです。
一方で、価格の高さだけに目を向けずに、その後の住み心地の良さや光熱費が抑えられることなど、長い目でみたときのメリットを考慮して決めるのも大切です。
2.重量が重く開け閉めしづらい
シングルガラスに比べて、トリプルガラスの重量が重いのは想像できるでしょう。
トリプルガラスはガラスの枚数が多いため重量が重くなり、窓の開け閉めがしづらいことも予想されるため、開けやすい形状の取っ手や引手を検討することも出来ます。
開け閉めのしやすいハンドルタイプに変更するのもお勧めです。
トリプルガラスを導入して、高断熱高気密住宅に!
気候変動や地球温暖化による環境の変化によって、ますます注文住宅の断熱性と気密性が重要となっています。
従来の断熱性・気密性が低い一般住宅では、主に1枚ガラスの窓が採用されてきました。
しかしながら、住宅の熱が最も逃げる窓こそ性能が求められる箇所です。
健康的で快適な室内温熱環境を実現する北欧や、北海道・東北地域の高断熱高気密住宅では、トリプルガラスの窓が積極的に採用されています。
トリプルガラスは熱の出入りを高い断熱性によって防ぎ、暑い夏も寒い冬も快適な室内環境を作る要になります。
トリプルガラスを導入して、高断熱高気密住宅をご建築されることをお勧めします。
山口・広島で注文住宅を建てるなら、エルクホームズへ
今回は、トリプルガラスのメリット・デメリットについてご紹介しました。
高性能な家を目指したい方は窓ガラスにもこだわって、理想の家づくりを進めていきましょう。
エルクホームズでは山口・広島において、高断熱・高気密で住み心地のよい高性能住宅をお届けしております。家づくりのご計画を始めたばかりの方や、まず何から始めたら良いか分からない方は、エルクホームズのモデルハウスにぜひお越しください。
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